発熱とは
発熱とは体温が正常範囲(通常36.0~37.0℃)を超えて上昇した状態を指します。発熱自体は病気ではなく、体が感染症や炎症などと闘っているサインです。38℃以上の発熱や3日以上続く発熱は、医療機関での診察が必要となることがあります。当院では発熱の原因を特定し、適切な治療を行うことで症状の早期改善を目指します。
発熱は体の防御反応の一つであり、体温上昇によって免疫機能が活性化し、病原体の増殖が抑制されることがあります。しかし、高熱が続くと脱水や全身倦怠感、頭痛などの不快な症状を引き起こすため、適切な管理が必要です。特に高齢者や小児、基礎疾患をお持ちの方は、発熱によって体への負担が大きくなるため早めの受診をお勧めします。
当院では、発熱の原因となる感染症の特定を迅速に行い、症状や重症度に応じた治療を提供しています。インフルエンザなどの季節性感染症から、細菌感染症、その他原因不明の発熱まで幅広く対応しております。
当院で行う発熱の診療内容
—発熱の原因診断
発熱の原因診断では、問診と身体診察、必要に応じた検査を組み合わせて原因を特定します。
発熱は様々な病気のサインであり、その原因には細菌感染、ウイルス感染、炎症性疾患など多くの可能性があります。当院では詳しい問診と診察を行い、血液検査やレントゲン検査などを実施して発熱の原因を探ります。
発熱の原因診断では、血液検査(白血球数、CRP値など)、インフルエンザ迅速検査、胸部レントゲンなどを実施します。これらの検査結果と症状から総合的に判断し、適切な治療方針を決定します。咳や痰の症状がある場合は、肺炎の有無を確認するための聴診や胸部レントゲン検査を重点的に行います。のどの痛みがある場合は、扁桃炎や咽頭炎の診断のため、のどの診察を丁寧に行います。
当院では、患者様の症状や病歴、身体所見を総合的に評価し、必要最小限の検査で効率的に診断することを心がけています。不必要な検査を避け、患者様の負担を軽減しながら正確な診断を目指します。
—急性感染症治療
急性感染症治療は、インフルエンザや上気道感染症などによる発熱に対する治療です。
高熱、咳、のどの痛み、全身倦怠感などの症状がみられる場合、インフルエンザや上気道感染症などの急性感染症が疑われます。これらは適切な治療を行うことで症状の軽減と合併症の予防が期待できます。
急性感染症治療では、まず原因ウイルスや細菌の特定を試みます。インフルエンザの場合は抗インフルエンザ薬、細菌感染症には適切な抗生物質を処方します。また、解熱鎮痛薬による対症療法や十分な水分補給、安静の指導も行います。
インフルエンザなどのウイルス感染症では、発症から48時間以内の治療開始が効果的であるため、症状が現れたらなるべく早く受診していただくことをお勧めします。細菌感染が疑われる場合は、適切な抗生物質を選択し、症状の改善を図ります。
重症度によっては、点滴による水分・電解質補給や強力な解熱治療が必要な場合もあります。当院では、患者様の状態に応じて最適な治療法を選択し、速やかな回復をサポートします。
—発熱時の生活指導
発熱時の生活指導は、症状の早期改善と二次感染予防のための指導です。
発熱時には適切な安静と水分補給、栄養摂取が重要です。また、家族内での感染拡大を防ぐための対策も必要となります。
発熱時の生活指導では、解熱までの安静期間や水分・栄養の摂り方、解熱剤の適切な使用方法をお伝えします。また、マスク着用や手洗い、換気などの感染対策についても説明します。発熱が長引く場合や症状が悪化した場合の再受診の目安についても指導します。
発熱中は脱水に注意し、水分を十分に摂取することが大切です。スポーツドリンクやお茶、スープなどで水分と電解質を補給することをお勧めします。栄養面では、消化の良い食事を少量ずつ摂ることが望ましいです。
解熱剤は使用のタイミングや適切な用量を守ることが重要です。解熱剤によって熱が下がっても、病気自体が治ったわけではないことを理解し、無理をせず十分な休息をとることが回復への近道です。
職場や学校への復帰時期については、病気の種類や症状の改善度によって個別にアドバイスいたします。特に感染性の高い疾患の場合は、他者への感染リスクがなくなるまでの期間を明確にお伝えします。
主な検査内容
—発熱の検査
体温測定(腋窩・耳・額での体温測定)
血液検査(白血球数、CRP、その他炎症マーカー)
インフルエンザ迅速検査
咽頭ぬぐい液による各種感染症検査
胸部レントゲン検査(肺炎などの有無確認)
尿検査(尿路感染症の確認)
必要に応じた血液培養検査
聴診による呼吸音・心音の評価
体温測定は、発熱の程度を客観的に評価するための基本的な検査です。当院では、正確な体温測定のため、デジタル体温計を使用しています。
血液検査では、白血球数やCRP値などの炎症マーカーを測定し、感染症の有無や重症度を評価します。白血球の種類や数の変化から、細菌感染かウイルス感染かの鑑別に役立てることもあります。
インフルエンザ迅速検査は、鼻腔や咽頭から採取した検体を用いて、約15分程度でインフルエンザウイルスの有無を判定する検査です。インフルエンザシーズンには特に重要な検査となります。
咽頭ぬぐい液検査では、のどから採取した検体を用いて、溶連菌感染症などの診断を行います。迅速検査キットを用いることで、短時間で結果を得ることができます。
胸部レントゲン検査は、肺炎などの呼吸器感染症の有無を確認するための重要な検査です。特に高齢者では、肺炎が重症化することがあるため、早期発見が重要となります。
尿検査は、尿路感染症による発熱の場合に有用です。特に高齢者や小児では、尿路感染症が発熱の原因となることがあります。
これらの検査を組み合わせることで、発熱の原因をより正確に特定し、適切な治療につなげることができます。当院では患者様の症状や年齢、基礎疾患などを考慮し、必要な検査を選択して実施しています。